2008-08

物価高に試される経営者

 昨日のニューヨークの原油先物市場では、一時原油価格が1バレル(約164リットル)134.15ドルという値をつけたそうだ。1月の新春相場で100ドルを超え、3月に110ドル、5月5日に120ドルと、その上昇スピードは加速していく。

 また、鋼材を始めとするありとあらゆるマテリアルも上昇を続け、代替燃料であるバイオ燃料需要などから、穀物を始めとする食材も高騰を続ける。

 国民所得は増えない中、公的負担は増加し、一体この傾向はどこまで続くのだろうか?

 一方で、こうした原材料価格の上昇を販売価格に反映できない事業者の苦悩も続いており、爪に灯をともすような経費節約や効率改善を続けているが、もうそれにより、コストダウンを実現できる材料価格ではなくなってきている企業が大半。

 そんな中、先日の高級料亭吉兆の料理の使いまわし騒動…その前にも消費期限切れ問題で大きく信用を失墜し、民事再生法に基づく企業復興中であるのに…加えてスーパーでの刺身の盛り直し疑惑や大阪不動産業者によるビルの階数水増し疑惑…これも耐震偽装問題が発覚したばかりなのに…そして、人命を守るべき島根県の医療機関で採血針の使いまわしにより、受診者14名がB型C型肝炎に罹患したとのニュースも。

 こうした事業者は、コストダウンの努力と、顧客への安心提供の義務を履き違えているのではないだろうか?一度失われた企業の信用を回復することは極めて困難なことを本当に理解して欲しい。

 そのような中、日経ビジネス誌5月19日号に老舗の高級ホテル「帝国ホテル」藤井会長の名言が掲載されていたので、是非ともご紹介したい。

 「帝国ホテルに対するお客様の評価は、『さすが帝国ホテル』というお褒めの言葉と、『帝国ホテルともあろうものが』という叱責の言葉の両極端に分かれます。中間の評価はありません。(中略)『100-1=0』これは帝国ホテルのサービスの教訓としている算式です。(後略)」

 つまり、最高級の料金と引き換えに最高級のサービスを提供し、最高級の満足をお客さまに提供し続けなくてはいけない業界トップの厳しい責任の自覚とその実践への固い決意がにじみ出ている言葉であり、私の心を強く刺激した。

 格安のビジネスホテルチェーンが台頭し、既存の事業者にとって土砂降りのような業界と推測されるホテル業界だが、やはり老舗として、高級ブランドとして生き残っていく…顧客に愛され続ける…その否決の一例ではないだろうか?

 ホテル事業だけではなく、ありとあらゆる業界で価格破壊は当たり前の時代。しかし、時代は、熾烈な価格競争に打ち勝つビジネスモデルだけでは、勝ち残れない時代に入ろうとしており、様々な企業が価格競争ではない、自社ブランドの確立を図らなくては生きていけない時代に入ろうとしている。

 それは、他社と一線を隔す技術力や顧客をうならせるサービスや安心…様々な切り口から企業は挑戦して行く時代となってきた。作れば売れる時代から、安ければ売れる時代、そして、商品力本来の力が試される時代へと時代が移りつつあり、併せて原材料高という大きな障害も現実化しており、今後企業経営者の経営の舵取りの重要性が益々増してくる時代となってきた。

 しかし、こんな時代だからこそ、企業経営者には、顧客に正直に顧客の満足する商品を、信頼関係の築かれた社員や関連業者と力を合わせて造っていく…経営者の魂(こころ)の真価が問われてきているのではなかろうか?

 話題は変わるが、四川大地震から10日余りが経過し、犠牲者は4万人をはるかに超え、1000万人を超える被災者が出ている。状況は情報と共に深刻さを増してきている悲しい現実がある。

 我々青年会議所としても、(社)日本青年会議所 国際協力委員会の舵取りで、全国の青年会議所に向けて、この悲惨な震災への支援活動の一環として、義捐金を募ることとし、我々(社)桐生青年会議所としても、昨日の例会より来月末までメンバーを中心にこの支援に協力させていただくこととした。

 是非、皆さんも様々な団体が義捐金を始め、支援を表明しているので、それぞれの立場で協力していただけることを期待したい。

 災害とは、突然被災するものであり、いつ我々が罹災するかは不明である。私は、暖かい心を届けるこうした動きを大切にしていきたいと考えている。

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